ほとんどの人にとって、医療は「事後対応型」です。病気になってから医療機関を受診し、治療を受け、薬を処方され、回復を目指します。Sam Kothari 氏と共同創業者の Marc Hermann 氏、Steven Lu 博士、Anshul Jain 氏は、患者が病気のリスク要因を早期に把握できるようにすることで、医療を「事後対応」から「事前対応」へ進化させることを目指しました。
2023 年、Kothari 氏とそのパートナーは、オーストラリア・メルボルンにて Everlab を設立しました。それ以来、18 カ月にわたり、製品およびサービスの設計に取り組んできました。同社は、リスク評価、診断テスト、画像診断、認定医による診療、そして専門家主導のパーソナライズされた治療プランを組み合わせた、予防医療に対する包括的なアプローチを採用しています。患者は必要に応じて、個別の診断テストに加え、継続的なモニタリングと健康目標に基づくケアを提供する年間メンバーシッププログラムを利用することができます。
事前対応型医療のための決済代行業者
Everlab の請求および支払いのニーズは非常に複雑でした。Everlab のサービスは、年会費、1 回限りの検査、治療プログラムが含まれており、患者の期待に応えながら、多様な請求モデルに柔軟に対応できるパートナーを見つけることが不可欠でした。
私たちは、信頼できるパートナーと協力し、すべてが本当にスムーズに機能する状態を実現したいと考えていました。インフラが不安定であったり、期待通りに機能しなかったりするリスクがあれば、私たちが築き上げてきた信頼は損なわれます。その信頼こそが、私たちの最大の競争優位です。
Everlab は、初期投資家の一社であるベンチャーキャピタル企業 TEN13 から Stripe を紹介されました。TEN13 は、Stripe がポートフォリオ企業の迅速な市場参入を支援してきた実績を見て、Everlab に Stripe を推奨しました。Stripe のプロダクトスイートを活用することで、Everlab は患者の反応を見ながら、新しいサービスのテストや改善、価格設定の更新、サブスクリプションプランの調整、支払い体験の最適化を柔軟かつスピーディに行えるようになりました。
Kothari 氏は次のように述べています。「医療の目標は人それぞれ異なるため、一律の医療システムでは対応しきれません。年間プランを選ぶ患者もいれば、1 年を通して必要な検査だけを購入する人もいます。だからこそ私たちには、医療体験全体を支え、適切なタイミングで患者と向き合える、柔軟な支払いインフラが必要でした。」
迅速な実験から深い連携まで
Everlab のエンジニアが会社のデジタルプラットフォーム構築に集中できるよう、Kothari 氏は独自に Stripe の実験を開始しました。Stripe ダッシュボードを活用し、決済画面の作成、商品の追加、サブスク階層の検証を実施。さらに、決済画面をより柔軟にカスタマイズするため、複数のサードパーティプラグインの検証も行いました。
最終的な設計が固まった後、Kothari 氏は、Stripe の API と Everlab の内部インフラの連携を主導する専任エンジニアを 1 名任命しました。連携はわずか 2 週間で完了しています。Everlab は、Stripe をプラットフォームに統合することで、自社のプロダクトと患者体験に最適化されたカスタマイズ済みの決済体験を構築しました。
Everlab は、拡大し続けるサービス全体において、シームレスかつ柔軟な支払い体験の基盤として Stripe Payments を採用しました。Stripe の Paymen Element を決済フローに直接組み込むことで、完全にブランド化されたアプリ内決済体験を実現。Everlab の患者層にとって重要なクレジットカードである American Express をはじめとする主要なクレジットカードに加え、Google Pay、Apple Pay、および銀行振込など、幅広い決済手段に対応しています。
当社は平均注文額が高く、とりわけ 12 カ月間の体験に先行投資する企業と比べてもその水準は際立っています。だからこそ、カード起因で患者が購入できない状況は私たちにとって致命的なのです。
Everlab は、Stripe Billing を導入し、継続的なケアにおける年会費などのサービスについて、サブスクと継続課金の管理を行っていました。さらに、顧客が 1 回限りの診断テストの費用を月次分割払いにするといった、より複雑な支払いシナリオにも対応するため、Stripe Invoicing を実装しました。
Everlab は、Stripe を CRM および自動化スタックと連携させることで、支払いイベントが下流のワークフローを自動的にトリガーする仕組みを構築しました。これにより、手動での消し込み作業を大幅に削減。財務チームは、Stripe の支払いを請求書と手動で照合したり、CRM レコードを個別に更新したりする必要がなくなり、週あたり約 10 時間の業務削減を実現しています。また、支払いが失敗した場合でも、Stripe の Smart Retries が Billing 請求書の再試行に最適なタイミングを自動で判断し、Authorization Boost がカード詳細を常に最新の状態に保つことで、各支払い試行を最適化します。これらを組み合わせることで、失敗した支払いの約 30% が自動的に回収され、決済不履行による解約によって失われる推定総収入の 1 〜 2% を保護しています。
複雑な支払いデータを、より深いインサイトへと変換
Everlab は急成長を遂げ、2025 年には、収入を前年比で 23 倍に増加させました。Everlab が事業を拡大する中で、Kothari 氏とそのチームは Stripe Sigma を活用して取引データの分析、パフォーマンスの追跡、社内レポート作成を支援。Kothari 氏は、Stripe Sigma の AI アシスタントを使用し、シンプルで分かりやすい英語のプロンプトから目的に合わせたカスタムレポートを生成。チームは、質問に迅速に回答できるようになり、月次決算 (帳簿の締め) をより効率的に進められるようになりました。
Kothari 氏は次のように述べています。「月末締めの作業は大きく改善されました。以前は毎月、Excel の膨大なレポートを作成し、推測しながら作業する必要がありましたが、そうした手間がなくなり、丸1日分の作業時間を節約できています。必要な情報は Stripe Sigma に聞くだけで把握できるようになりました。また、顧客や製品の違いについても、Stripe は信頼できる情報源となっており、これらのインサイトは私たちにとって大きな発見でした。」
Everlab は、高額の取引を管理するために Authorization Boost を使用しています。Authorization Boost は、AI を活用し、カード詳細を自動的に更新するとともに、失敗した支払いをバックグラウンドで再試行することで支払い成功率を最大化します。これにより、支払い拒否を最小限に抑え、患者体験を保護します。この仕組みは特に、高額な前払いでは、取引の失敗が収益の損失や患者の治療中断につながるリスクがあるため極めて重要です。
グローバル展開を前提に設計された決済インフラ
オーストラリアでサービスを立ち上げた後、Everlab は 2026 年初頭にニュージーランドに進出しました。Everlab の決済と請求書のインフラはすでに Stripe 上に構築されていたため、新市場立ち上げにおける主な作業は、NZD の料金体系の設定、適切な税率設定、既存フローを新しい通貨に対応させることに限られていました。決済周りはニュージーランド進出で最も迅速に完了した作業の一つとなりました。柔軟な代行業者がなければ、請求書設定だけでも数週間を要するプロジェクトになっていた可能性があります。Kothari 氏は次のように述べています。「最初の海外市場で事業を立ち上げるにあたって、特別なサポートはほとんど必要ありませんでした。」
Everlab は将来を見据え、世界中の患者に事前対応型医療を提供することに注力しています。2026 年に予定しているイギリス進出では、ニュージーランドで確立したグローバル展開戦略を活用します。Everlab の決済および Billing インフラはすでに Stripe 上に構築されているため、初日から英ポンドでの支払い受付が可能です。また、必要に応じて国内主要決済手段を迅速かつ簡単に有効化できます。これにより、チームは、イギリス固有の医療制度、患者ニーズ、規制環境に合わせたサービス最適化に専念できます。
Kothari 氏は次のように述べています。「Stripe について一番評価しているのは、それについて考える必要がないことです。Stripe のおかげで、決済ではなくビジネスそのものに集中でき、そこで最大の価値を生み出せています。」
当社には、急成長するプロバイダーと取引額を支えられる強固なインフラが必要でした。支払いトラブルではなく患者の健康管理に集中できるようにするための、すべてが常にスムーズに稼働する高い信頼性が求められていました。その点で、Stripe は迷いのない選択でした。